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不妊の原因に!?性感染症であるクラミジア・淋菌について徹底解説!

 

今・回・は!

性交渉の経験がある方も、まだ経験がない方も、皆さんに知っておいてほしいこと!

『性感染症』についてお話します。

なかなか『性』について学べる機会が少ないのが現実…。

大切なことなので、ここでは赤裸々に解説していきます!

今日は『クラミジア・淋菌』にスポットを当ててお話していきますね。

 

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性感染症とは

まず、性感染症とは何か。

『膣性交、またはこれに類似した性交渉(性器‐口腔、性器‐直腸)の皮膚または粘膜の接触により感染する疾患の総称である。』

…要するに!性器での性交渉だけでなく、口と性器を触れ合わせる『オーラルセックス』でも感染するということです。そして確率はかなり低いですが、実は口と口でも…。また、異性間だけでなく同姓間でも性感染症は移ります!

 

性器クラミジア感染症

『クラミジア・トラコマティス』という病原菌が、性交渉をきっかけに性器やのど・直腸などに感染して炎症を起こします。

女性の場合、発症は性交後1~3週間と言われていますが、症状がでないことが多いのです。

最近では若者を中心に感染者が多く、性感染症の中で最も多い病気なのです!

 

症状

おりものの増加・サラサラ水っぽいおりもの・不正出血・下腹部痛・性交痛など…

 

淋菌感染症

『淋菌』という病原菌が、性交渉をきっかけに、性器やのど・直腸などに感染して炎症を起こします。

症状

おりものの量が増える・おりものの色が濃くなる(膿性)・悪臭がする・かゆみ・不正出血・排尿痛・(感染が広がると)発熱・下腹部痛・性交痛など…

 

治療法

クラミジア・淋菌ともに抗菌薬を使用します。抗菌薬なら何でもよいわけではありません。種類や量なども変わってきます。市販では販売していないので、必ず病院で処方してもらいましょう。クラミジアの場合は内服、淋菌の場合は内服か注射・点滴になります。薬剤を投与した後すぐに効果を発揮するのではなく、効果が出るまで約1週間はかかるといわれています。

 

検査方法

婦人科での一般的な検査方法。クラミジア・淋菌ともに検査方法は基本的に一緒で、膣の中に綿棒を入れて子宮の入り口を擦る方法です。子宮の入り口を擦るために、『クスコ』という器具を用いて膣内を広げます。そのため、違和感はありますが、検査自体は数秒で終了します。

また治療後の再検査は、基本的に薬剤投与から3週間後以降に施行します。陰性を確認できるまで、治療を行っていきます。

 

男女の自覚症状の違い

女性の性感染症では、無症状感染のことも多く、症状がある場合は男性の方が女性よりも自覚症状が強いものが多いです。そのため男性は病院を受診する機会がありますが、女性では受診の機会が少ないのが現実です。このため女性は炎症が進行しやすく、感染を拡大させやすいといわれています。

 

不妊の原因になるって本当?

はい!本当です!

自覚症状がないことが多いため、長期間感染を放置することになります。それにより感染がどんどん体の奥に広がり、お腹の中で感染が広がると腹痛の原因に、卵管まで感染が広がると卵管の癒着が起こり不妊・子宮外妊娠の原因になりかねません。実際不妊を訴えて来院することで感染が判明することもあります。

なので、感染していると分かった時点で早急に治療を行うことが大切です。

 

治療において大切なこと

ピンポン感染

性感染症の治療は、自分パートナー両方の検査・治療が必要不可欠です!!

患者の治療が完了しても、パートナーが未治療であれば、自分は再度感染します。

感染のラリーが続く…ということで『ピンポン感染』と言われています。

性感染症が陽性だった…これは相手に伝えづらいことだと思います。ケンカになったり、別れるきっかけになることもしばしば…。しかし、自分だけ治療をしても意味がないんです!パートナーも治療しないと永遠に移し・移されあうことになります!ここは勇気をもって伝えましょう。

 

自分は陽性、だけどパートナーは陰性だった!

婦人科に来院。検査を受けたらクラミジアが陽性だった女性。「パートナーも検査・治療をしてください。」と医師から説明がありました。しかし後日来院時に「パートナーは検査で陰性だったから治療していない。」と患者様は発言…。

実際によくある事例ですがこれは危険です!

★パートナーの片方が陽性だった場合、基本的に相手も感染していると考えます!

男性は尿で検査することもあり、陰性と出やすい傾向にあります。病院では、検査結果が陰性の患者様には基本的に薬を処方できません。しかしパートナーが陽性だった場合は話は別。基本的に検査結果を確認する前に、感染しているものと考え治療を受けられることが多いです。ですので、パートナーには『相手が陽性だった』と医師に伝えてもらい、しっかり治療を受けてもらいましょう!

 

一度の治療じゃ治らない!?薬剤耐性菌

最近、抗菌薬への耐性を持った『薬剤耐性菌』が問題となっています。

 

薬剤耐性菌とは

細菌は生き延びるために周りの環境にあわせて自分の性質を少しずつ変化させていきます。自分の生命を脅かす抗菌薬が現れると、それに耐えられるように自分の性質を変えたものが一定数現れます。抗菌薬を使えば使うほど、その抗菌薬に耐性を持った菌が現れるのです。

 

ですので、薬を内服・注射しても治っていない!という事例も少なくありません。もし再検査して陽性だった場合は、薬の種類を変更して再び治療が必要となります。

また、せっかく治療をしたのに陰性を確認する前に性交渉をした場合、抗菌薬が効いていないのか、抗菌薬は効いたけど性交渉で再び感染したのか評価が難しくなります。

治療をしたから治った~!ではなく、必ず両方の陰性を確認してから、性交渉を再開しましょう。

 

予防方法

  • NO SEX(信頼できる人以外と性交渉を持たない)
  • STEADY SEX(特定の相手だけ性交渉をもつ)
  • SAFE SEX(コンドームを使用する)

はい!性感染症を予防するためにはこの3つが重要です。

そしてピルは『避妊薬』ではありますが、『性感染症』はまったく防げません!時々勘違いされている患者様がいらっしゃいます。(先日、看護師の患者様でも勘違いされていました…同業者としてしっかりしていただきたい…。)

自分の身体を守るため・大切な人を守るためにも気をつけていきたいですね。

 

私がクラミジアに感染した実体験

こんな偉そうに話している私も数年前クラミジアに感染したことがありまして…。

ある日「クラミジアに感染した。検査と治療を受けてほしい。」とパートナーから突然告げられました。私はパニック。

話を聞くと、排尿時の違和感があり、検査を受けてクラミジア陽性。夜のサービスを利用した後に症状があったとのこと。性器性交渉はなく、口‐性器での接触のみ。

パートナー・私、2人とも同時に治療を受けました。

私は『パートナーが他人と関係を持ったことに対する悲しさ・怒り』と、『知らない人が持っていた菌を移されたことに対する不快感』といろんな感情が入り交じり、しばらく号泣していました…。

婦人科看護師になった今、当時のことを振り返ると…やっぱり腹は立ちます。笑

忘れることはありませんし、今でも根に持っています。笑

ですが、感染したことを正直に相手に告げ、検査・治療を受けてほしいと言えたことだけは褒めてあげます。(上から目線)

今これを読んでいる方の中にも同じような経験をされた方、今現在同じ状況になっている方、また自分が感染してパートナーに告げることを躊躇されている方がいらっしゃると思います。つらいのはわかります(私もそうでしたから…泣)。しかし感染したものはもう仕方がないのです。重要なのは感染していたらその時点でしっかり治療をすること、そして今後感染のリスクを減らすために気を付けるということ。性感染症はあなた一人が気を付けるということではなく、パートナーの協力が必要不可欠です。

また、性感染症に感染したことは恥ずかしいことではありません。性交渉を行う上で感染するリスクは付き物です。婦人科では同じような経験をされた患者様が多く来院されています。なにも恥ずかしがることではないのです。

当時、「クラミジア感染症は放置すると腹痛や不妊の原因になるから、本当に気を付けてほしい。」と泣きながら訴えた覚えがあります…パートナーが改心したことを祈っています…。

 

いつ感染したか、誰から感染したのかわかるの?

 

いつ感染したんですか?
今のパートナーから移されたってことですか?

 

これは皆さんも気になると思います。実際に患者様から質問されることが多いです。

検査では『いつ感染したのか』、『誰から感染したのか』なんてわかりません!わかるのは、『今現在感染しているかどうか』のみです。

前のパートナーから感染⇒感染に気付かず今のパートナーと付き合っている時に発覚⇒自分が今のパートナーに移しているという可能性も十分にあります…。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。クラミジア・淋菌は無症状のことも多く、放置していると激しい腹痛や不妊の原因になりかねません。感染予防のためにコンドームを正しく使用すること・感染していた場合はしっかり治療し、陰性を確認するまで性交渉をしないことが大切です。パートナーのため、また将来の自分のためにも体を大切にしてくださいね。