※このブログでは『低用量ピル・超低用量ピル』のことを『ピル』と呼んでいます。
そこの猫!ちょっと待って!
ピルを止めようと思っている理由はなんですか?
もしかしたらこのお話で解決できることがあるかもしれません。
しろねこと同じように悩まれている方、ぜひ聞いていってください!
ピルを止めようと考えている理由
①吐き気や頭痛がつらいから
ピルを飲み始めてから約1・2か月間は、吐き気や頭痛・不正出血が出やすい時期です。これをマイナートラブルといいます。
ピルを飲み続けることで落ち着くことがほとんどですので、3か月ほど頑張って飲んでみることをお勧めします。しかし、単純にそのピルが体にあっていない可能性もあります。数か月経っても症状の改善がなければ、ピルの種類を変更することもできますので、我慢せず先生に相談しましょう。
吐き気や頭痛については市販の痛み止め・酔い止めを併用することも問題ないです。
ちなみに、私は学生時代ルナベルULDを半年間服用していましたが、吐き気が治まることはありませんでした。現在ヤーズフレックスを服用中ですが、最初の2か月半くらいで吐き気は治まりました!
②不正出血が止まらないから
これに関しては、ピルの種類や現在何錠目を服用しているのか、ピルの服用期間などによって原因が異なります。
ピルを飲み始めてまもない方はマイナートラブルの可能性大
マイナートラブルの可能性が高いです。飲み続けていくと自然に止まることもありますのでそのまま様子をみることをお勧めします。
時間のズレ・飲み忘れがあった
ピルは一日1回1錠を毎日同じ時間に服用する薬です。時間のズレや飲み忘れがあると、血液内の女性ホルモンの量が少なくなることにより、不正出血することがあります。
食事前・食事後・食事中でもいつ飲んでも問題ない薬ですので、自分が飲みやすい時間を決めて、なるべく毎日同じ時間に内服することをお勧めします。
私は飲み忘れ防止のため、アプリでアラームがなるようにセットしてます!
ピル以外の薬・サプリを飲んでいた
ピルの吸収率が低下し不正出血を起こすことがあります。同時に、または近い時間にほかの薬と一緒にピルを飲んでいることはありませんか?もし当てはまる方は、ピルの時間は固定で、ほかの薬を飲む時間をずらしたり、中止できる薬であれば一回止めてみると不正出血が改善されるかもしれません。
特に、さまざまなサプリメントやダイエット用の飲料などに広く含まれている『セントジョーンズワート』はピルの効果を弱め、避妊効果を下げたり、不正出血を起こす原因になる可能性があります。併用は避けるように普段から患者様に指導をしています。
※セントジョーンズワートとは…セイヨウオトギリソウという黄色の花を咲かせるハーブの一種。抗うつ作用や止血作用があり、サプリメントやダイエット飲料などに含まれていることがあります。また、ハーブティーに含まれていることもあるため、飲むときは注意しましょう。
また、ビタミン剤を同時に飲むと不正出血があるという声も多く聞きます。私は美白効果があるといわれている『ビタミンC』『L‐システイン』を普段服用していました。ある日ピルを服用した1時間後に上記のサプリを服用した翌日、少量の不正出血がありました…。とほほ…。
下痢をしていた
下痢をしているとピルの吸収率が下がって、血液中のホルモン量が下がります。そのため不正出血することもあるのです。
そのままピルを飲み進めると自然に出血が止まることがほとんどですが、下痢をしていた期間が長かった場合等には出血が続くこともあるので、処方元の医師に相談してもよいと思います。
元々子宮筋腫がある方
子宮筋腫は女性3・4人に一人が持っているといわれています。子宮筋腫自体は良性のコブなので、特に症状がない限りそのまま持っていても問題ありません。しかし、筋腫がある場所によっては、出血量が多くなったり、子宮内膜を長期間維持できない原因になる場合があります。そういう方はピルを飲んでいる間に不正出血をしやすい可能性があるのです。
この場合、どうしても不正出血は付き物になってしまう可能性が高いのですが…医師に相談してみることをお勧めします。
上記に当てはまらない方
ピルの種類変更を相談してもいいかもしれません。種類を変えて不正出血がなくなったという患者様も多くいらっしゃいます。
しかし病気が隠れている可能性もありますので、処方元の病院で相談・定期的に診察を受けることをお勧めします。
③生理痛・PMSが改善されないから
ピルはだんだん効果が表れる薬です。長期間飲めば飲むほど効果を発揮していきます。まだ1・2か月ほどしか服用していない方は、もう少し様子を見られることをお勧めします。
それでも効果を感じられない場合、種類変更の相談をされてもいいかもしれないですね。
生理の回数を減らすのも一つの手。1か月に1回生理を起こすタイプではなく、連続服用できるタイプに変更してもいいかもしれません。生理の回数が減るってめちゃくちゃ楽ですよ~!!
④生理痛・PMS・生理不順が治ったから
この理由で自己中断をされる患者様が結構いらっしゃいます。
ピルは飲んでいる間だけ効果がある薬です。
生理痛やPMS・生理不順が改善されたのは、現在ピルを飲んでいるからです。ピルの内服を止めると戻るので注意!
たまにピルを止めた後も生理が順調に来るようになったという方もいらっしゃいますが、基本的には元の生理周期に戻ると思ってください。
⑤生理の量が少なすぎる・休薬中に出血がないから
これも多いですね。
ピルを内服すると生理の量が減り、長期間服用すると休薬中の出血自体なくなることもあります。これはピルの効果ですので、なにも心配することはありません。
休薬中に出血がないため妊娠が不安、と言われる方もいらっしゃいます。
ピルを時間通り飲み忘れなく服用できていれば、基本的に心配はないでしょう。しかし、大幅な時間・日数の飲み忘れがあり、心配な性交渉が重なった…という方は、妊娠の可能性は微量に増加しますので、市販の妊娠検査薬でチェックしたり、婦人科を受診し相談されることをおすすめします。
休薬は決められた日数より多く休まないように気を付けましょう。
生理の量が極端に減ったり、出血がないことが怖いという患者様ももちろんいらっしゃいます!そういう場合は、出血がしっかり出るタイプのピルもありますので、種類変更の相談をされることをお勧めします。
⑥すぐに妊娠を考えているから
はい!中断しても問題ないです!
中断を止めてすいません!笑
ピルを中止して1か月で卵巣の機能が戻って排卵する方が約6割、遅くても3か月で排卵する方が約9割と言われています。ピルを中止してからすぐに妊娠をトライして大丈夫です。
ピルの内服を止めてから生理が来ない…検査したら妊娠してる!って方も珍しくないです。
ただ、中断される前に一度医師に相談されることをお勧めします。特に子宮内膜症等の治療目的で服用されている方は、医師と中断時期等を含めて相談されたほうがよいでしょう。
そして、ピルを止めると自身の卵巣の機能が再開しますので、生理痛・PMS・生理不順が戻ることをお忘れなく。そのためにも妊娠したい!と思う直前で中断されることをお勧めします。
おわりに
いかがだったでしょうか。今回はピルを服用している方向けにお話しをしてみました。今回の話があなたのお役に立つことができればとてもうれしいです。